🍁「敬老の日」に想う、心あたたまる一日【🔔】
2026.10.26 /

秋風が心地よい季節になりましたね。
今回は、先月の敬老の日にあった出来事を綴りたいと思います。

①栞のプレゼント🎁

もうすぐ5歳になる孫から、「じーじ、ばあばへ」とプレゼントをもらいました。
セロハンがキラキラ光る可愛い手作りの栞です。
一生懸命貼ってくれた感じがかわいくて、思わず目尻が下がります。

孫からの手作りの栞

②チャーミングなご婦人との出会い

この日は夫婦ふたりで長野県へ出かけました。ちょうどお昼ごろに千曲市へ到着。
気になっていたお蕎麦屋さんに立ち寄ると、とても賑わっていて、順番待ちの時間は1時間ほど。のんびり待つことにしました。

少し経つと、ご婦人(83歳)がご家族と来られ、待ち合いの席をお譲りしたのが、出会いのきっかけでした。
「どちらからですか?」
「愛知からです」
「まあ、愛知?そんなに遠いところから!? 私はすぐ近所なんですよ。いつもここの前を通るだけでね。今日は娘夫婦が連れてきてくれて、初めて入ったの。だから嬉しくて興奮しちゃって!」
ご婦人は「私の娘と、義理の息子です~」とご家族を紹介してくださり
「本当の息子なんですよ~!」と言って、義理の息子さんをギュッと抱きしめました。その様子が本当に幸せそうで、とても可愛らしいご婦人でした。

しばらくご婦人との会話が弾み
私たちが「実は息子がこちらに住んでいるんですが、連休は仕事なので連絡せずに来たんです」と話すと、ご婦人は深くうなずいて、
「そ~う!息子さんが。ちゃんと息子さんを自立させたのねぇ…立派ですよ。それを聞いただけで 私ジーンとしちゃう…」
そう言って、出合ったばかりの私たちをそのまま受け入れ、その子育てを温かな言葉で労ってくださったのです。

ただただ一生懸命子どもを守ってきただけで、親としてちゃんとできていたのかはわかりません。けれど、ご婦人の優しい言葉が胸にじんわりと染み渡って、ふっと救われたような温かな気持ちになりました。

③🌾姨捨の棚田を訪れて🌙

姨捨の棚田

「俤(おもかげ)や姨(おば)ひとり泣く 月の友」
松尾芭蕉もこの地を訪れ、名句を残しています。
古くから「月の名所」として知られる千曲市姨捨の地です。

月明かりの下、ここに残された老いた母の面影と、月を友として一人泣く母の切ない思いを巡らせた句だと言われています。
「姨捨伝説」は一見、哀しい民話のように思われがちですが、その奥深くにあるのは「親を想う子の葛藤」や「老人の深い知恵を敬う尊さ」なのだそうです。

そして、目の前には「姨捨の棚田」が広がります。
斜面を切り拓き、水面に月を映し出してきた美しい棚田は、先人たちが大変な苦労を重ね、知恵と強さ、深い優しさをもって守り続けてきた歴史の証なのだと思います。

④温かく小さな手に包まれて

孫からの可愛い栞。
お蕎麦屋さんで出会ったご婦人。
そして、姨捨の風景に感じた先人たちの思い。

「敬老の日」に重なったこれらの出会いを通して、時代を超えて受け継がれる人の温もりや、家族を想う親心の深さを改めて教えてもらった、かけがえのない旅となりました。

お別れの際、ご婦人としっかりと握手を交わしました。
その手は細く小さくて、けれど包み込まれるような優しい手をしていました。
私自身も、気づけば「敬老の日」をお祝いしてもらう立場となりました。
振り返れば、転勤で巡ったさまざまな土地でもたくさんの人と出会い、受け入れてもらい、たくさんの愛情と思い出をいただいた年月でした。
今回出会ったご婦人もまた、壁を作らず、飾らない温もりで接してくださいました。
私もこれから重ねていく年月の中で出会う人や家族、そしてお客さまにも、あのご婦人のような温かさでそっと寄り添えるような、そんなふうに歳を重ねていけたら…と思っています。
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木曽奈良井宿